- 2024年の採用計画値235名から、2025年度は採用目標275名 へと増加。泊発電所(原子力)の再稼働や再生可能エネルギー拡大といった事業拡大に備え、特に原子力部門の技術系の専門人材の大量確保が急務となっていた。
- 転職市場の活発化により人材獲得競争が激化。従来の新卒・中途採用手法だけでは必要な人材を十分に確保できないという危機感があった。
- 退職者との関係維持に着目し、「カムバック採用」制度を導入。タレントプール構築支援サービスAlumyを活用して退職者向け専用サイトを開設。一度会社を離れた人材と再び繋がり、採用候補として迎え入れる新たな仕組みを構築した。
- 現在は選考辞退者の登録・タレントプール化を推進。リファラル採用も積極的に推進しており、社内外の人的ネットワークを活かした採用チャネルを複数展開し、大量採用に向けた母集団形成を強化している状況。
- 導入から数ヶ月で早くもAlumy経由で入社4名、内定承諾2名の復職者を獲得。退職者が即戦力として現場に再参画する成果が現れ始めている。
- タレントプールにより候補者の裾野が広がり、人材確保の新たな選択肢が定着。採用のたびゼロから候補を探す必要が減り、大規模採用計画(275名)の達成に向けた下地を築いている。
北海道電力株式会社(以下、北海道電力)は、北海道の電力供給を担う電力会社です。近年、企業の北海道進出や原子力発電所の再稼働準備など経営環境が大きく変化し、人材戦略の強化が急務となっていました。同社は2024年9月、退職者との関係構築を目的とした「カムバック採用」制度を開始。タレントプール構築支援サービスであるAlumy を活用し、退職者登録サイトを立ち上げ、その後選考辞退者の登録を促すタレントプール構築も開始しました。
今回、新制度導入の経緯や具体的な運用方法、そして得られた効果について、人事部で採用を担当する国見さんにお話しを伺いました。
大規模採用計画と競争激化で、従来手法に限界感
Q: まず、Alumy導入以前にはどのような課題があったのでしょうか?
国見さん: 北海道電力では、中長期の人材計画として2025年度に新卒と中途合わせて275名ほどの採用を予定しています。泊原子力発電所の再稼働準備など、事業を取り巻く環境が大きく動いており、それに対応するために相当数の人材確保が必要になっています。一方で近年は転職市場が非常に活発で、優秀な人材の獲得競争が激しい状況です。こうした中、従来どおり新卒採用や一般的な中途採用募集だけでは、必要な人材をタイムリーに確保することに限界があるのではないか、という危機感が社内で高まっていました。
特に専門的なスキルや経験を持つ人材については、募集をかけても応募が集まらなかったり、採用しても定着しなかったりといった悩みがありました。電力事業という特殊な業種柄、当社の業務に精通した人材を育成するには時間がかかります。そのため、一度社内で経験を積んだ元社員の方々は貴重な戦力になり得ます。しかし従来は退職者との接点がなくなってしまい、一度会社を去った人にもう一度声をかける仕組みがありませんでした。大量採用の必要性と人材競争の激化を前に、「社外に出た人材とももう一度繋がれないか?」という思いが募っていきました。

「カムバック採用」「タレントプール」に着目、退職者との“縁”をつなぎ直す決断
Q: 課題解決策として「カムバック採用」制度を決定された経緯、Alumyを選ばれた理由を教えてください。
国見さん: 社外に離れてしまった人材と再び繋がる方法を模索する中で、リクルートさんが提供する Alumy に出会いました。退職者や選考辞退者との関係を維持できるタレントプールの仕組みを成果報酬型で利用できる点が魅力でした。採用の人数が増えていることもあり、予算を大きく取っていたことも導入がうまくいった理由の一つにあると思います。結果として、「これなら当社の課題に合う」と確信し、社内の合意形成も特に反対なくスムーズに進みました。
運用では応募者・登録者ごとのポジションメイクを徹底
Q: Alumy導入後、具体的な運用方法は?
国見さん: ある程度導入の前に運用ルールを決めておいたこともあり、導入で躓いたところはそこまでなかったように記憶をしています。リファラル採用などの既存制度とのすみ分けについては人事部内でしっかりと議論ができていましたし、細かな運用の改善は走りながら行っていくスタンスで臨んでいました。弊社のカムバック採用の特徴としては、「初期配属をポジション確約」でオファーをする体制を整えている点です。また、応募があった際には人事部内で現場のポジションをサーチしながら最適な配属ができるよう、個別の対応にかなり力を入れています。これにより工数はかかってしまうのですが、応募から内定までの率がかなり改善されたように感じています。
リファラル採用と相乗効果、社内外ネットワークで母集団拡大
Q: リファラル制度との関連や相乗効果は?
国見さん: Alumy導入と前後してリファラル採用も強化しました。紹介者にインセンティブを付与し、社員が知人・元同僚に入社を薦めやすい仕組みにしています。退職者に声をかけてサイト登録を促す動きもリファラル的ですし、復職者が周囲に声をかけてくれるケースもあり、人の縁をフル活用できています。
復職者が即戦力として活躍、文化醸成と今後の展望
Q: Alumy導入後の成果や社内の変化を教えてください。
国見さん: 導入し始めてから、4名が再入社し2名が内定承諾。復職者は退職後に培った経験を持ち帰り、即戦力として活躍しています。
社員の意識も変化し、「退職しても繋がり続けられる」という安心感が生まれました。退職が必ずしもネガティブではなく選択肢の一つになり、エンゲージメント向上にもつながっているように感じています。Alumyは候補者とのコミュニケーションを人事の代わりとなってコミュニケーションをしてくださるサービスなので、人員が増やせない中で採用数につなげていく上で、導入して非常に良かったと感じています。

Q: 今後の展望は?
国見さん: タレントプールをさらに拡充し、採用計画275名の達成に向けてカムバック採用を重要なピースにしたいです。定着率の高い復職者を毎年一定数迎え入れる循環を目指します。 退職者だけでなく選考辞退者もプール化してさらに成果を出せるように運用を磨いていきたいと考えていますし、Alumyにも様々な機能が続々とリリースされているので、どんどん使いこなしたいと考えています。
※本記事の内容は、取材時:株式会社リクルート(2026年4月以降:株式会社インディードリクルートパートナーズ)のものです。